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| Shostakovich, Dmitry Dmitriyevich (1906〜1975) |
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旧ソビエト連邦を代表する作曲家。「赤い皇帝」スターリンから「赤いベートーべン」と不名誉な栄誉を貰っている。ペテルブルク音楽院で学び、十九歳の時に交響曲第一番によって鮮烈なデビューを果たす。西洋の前衛的手法を大胆に取り入れたピアノ協奏曲第一番やバレエ「明るい小川」、そして歌劇「ムツェンスクのマクベス夫人」などが党の機関誌「プラウダ」によって「荒唐無稽」と名指しで非難されると、「革命」という俗称で有名な交響曲第五番で批判をかわし、48年の「ジダーノフ批判」では党の植林政策宣伝用のオラトリオ「森の歌」を作曲して名誉を回復、スターリン死後にフルシチョフが「スターリン批判」を行うと交響曲第十番で「粗暴で凶悪な独裁者・スターリンの肖像」を描いて見せた。このように、存命中は「権力にすり寄る変節の作曲家」と見なされていた時もあったが、死後、極秘にアメリカに持ちだされて出版された「ショスタコービチの証言」は、完全に信頼に足るわけではないものの、彼の音楽に対する再解釈を迫るものである。ショスタコービチの創作は独裁政治との戦いと言っても良く、交響曲など公式の作品では「大衆に分かりやすい、親しみやすい」音楽を発表したが、当局の目の届きにくい室内楽や歌曲の分野ではその鬱屈したエネルギーを発散させていた。こうした経緯もあってか、かなり屈折した感情を秘めた音楽が多く、また後期の作品は交響曲第十四番「死者の歌」に代表されるように沈欝で厭世的な気分が濃厚である。なお、ソ連崩壊から十年が経過し、新たな資料が発見されるようになってきている。
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| (執筆・著) ファエトン |
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- ★代表的な曲
- 交響曲 第5番 [DB]
- ロシア革命三十周年を記念して作曲されたことから、「革命」という俗称で呼ばれることもある。果たして革命を讚えた曲なのか、それとも「裏切られた革命への挽歌」なのか、色々な意味で問題作ではあるが、そういった問題に深入りせずとも素直に楽しめる曲である。
- 弦楽四重奏曲第8番 [DB]
- 二十世紀の弦楽四重奏曲を代表する曲の一つ。全楽章連続で演奏される。DSCHという自分のイニシャル、即ちレ(D)-ミ♭(Es=S)-ド(C)-シ(H) の四つの音を主題に、自作の「ムツェンスクのマクベス夫人」やピアノ三重奏曲第二番、チェロ協奏曲第一番などを縦横に引用、悲痛で陰鬱ながらも心揺さぶる名曲である。
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