A.スクリャービン(露)
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Skryabin, Aleksandr Nikolaevich(1872〜1915)

 19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したロシアの作曲家・ピアニスト。幼い頃からピアノに親しみ、10〜15歳の頃にモスクワの陸軍幼年学校の在学中に、ピアノをコニュスに、また音楽理論をタネーエフらに学び、更にモスクワ音楽院でアレンスキーに師事した。最初期にはロシア音楽の正統から、ショパン風のピアノ曲を作ったが、後にリストやワーグナーの影響による大胆な和声に挑戦し、そして次第に神智学にも興味を示して、自己の芸術を神秘主義的思想に根ざし、神秘和音、音楽と色彩の視覚的統一など、20世紀に展開される様々な前衛的試みの先駆をなした。数曲の管弦楽曲、1曲のピアノ協奏曲、若干の室内楽の断片、数曲の歌曲の他はすべてピアノ曲であり、特に「詩曲」というジャンルの創造は注目される。1903年以降は国外での活躍がほとんどで、作品名にも仏語を用いている。
(執筆・著)岡崎 恵
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★代表的な曲
交響曲第4番「法悦の詩」 [DB]
 スクリャービンは交響曲(いずれも「詩」にまつわる副題がついている)を5曲書いたとされるが、4番・5番は単一楽章で「交響曲」は通称であり、当時の彼独自の「詩曲」の概念で作曲された。「法悦の詩」は1904〜08年の作品。神秘和音を随所に用いて官能的かつダイナミックな音楽を築き上げ、人間の精神的・肉体的エクスタシーを描いたといわれている。
交響曲第5番「プロメテウス(火の詩)」 [DB]
 1908〜10年の作品。管弦楽の他にピアノ独奏、ボカリーズによる合唱、そして色彩鍵盤を加えた一大総合芸術を目指した。合唱隊はすべて白装束、そして後方のスクリーンも白に統一して、鍵盤装置の操作によっていろいろな色のサーチライトを投射しようとしたが、初演では果たせず、1915年のニューヨークでの演奏で初めて実現した。後に彼は、舞踊・そして香気までも統合した総合芸術「神秘」を計画していたが、ガンによる急逝のために未完に終わった。


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