P.I.チャイコフスキー (露)
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Tchaikovsky, Pyotr Ilyich (1840〜1893)

 ロシア、ウラル地方出身のロシア、最大の作曲家。鉱山技師の子として生まれ、法律を学び役人となるが、作曲家を志して退職、1863年にペテルブルク音楽院に学ぶ。その後はモスクワ音楽院でも教えるが、この間に最初の大作である「交響曲 第1番」を発表する。メック婦人という援助者を得て作曲に専念する。1877年にモスクワ音楽院時代の教え子アントニーナ・ミリュコーヴァから一方的に迫られ結婚する(チャイコフスキーは同性愛者であったが、それをカモフラージュするためだったとも言われている)が、結婚生活がうまくいかないことから神経衰弱に陥る。同年9月にはモスクワ川に入水自殺未遂もおこしている。1888年以降は皇帝からの年金を受けるようになる。その年から1893年までの間、ヨーロッパ、アメリカを指揮者として演奏旅行し、帰国後「交響曲 第6番 ロ短調 作品74《悲愴》」の初演を最後に、まもなくコレラで急死する(近年、ある青年との同性愛が発覚したため服毒自殺をしたという説が有力になってきている)。西欧的ロマンティシズムを貴重に、スラブ的な民族性を反映させた叙情性が特徴で、東洋的な素朴さもうかがうことができる。代表曲は「三大バレエ」とも呼ばれるバレエ組曲「白鳥の湖 作品20」「眠れる森の美女 作品66a」「胡桃割り人形 作品71a」やオペラ「エウゲニー・オネーギン」、「ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23」、「スペードの女王」など。
(執筆・著) 葉桐夕希
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★代表的な曲
序曲《1812年》作品49 [DB]
 1880年春、チャイコフスキーはモスクワ音楽院院長ニコライ・ルビンシテインから管弦楽曲の作曲依頼を受けた。その曲は皇帝の即位25周年祝賀、「救世主キリスト大聖堂」再建献堂式などに適切な曲であること、と言うことだった。チャイコフスキーは気の進まぬまま作曲を開始するが、次第に没頭することとなる。1812年、ナポレオンは60万人の大軍でモスクワに攻め入るが(救世主キリスト大聖堂はこのときに破壊された)、冬将軍の到来による歓喜と食糧難に悩むところをロシア軍の猛反撃によって敗退したという愛国的な主題を音楽によってあらわしている。全曲は4部に分かれ、第1部はロシア賛歌「神よ、汝の民を守り給え」が主題にされている。第2部は戦闘を控えた兵士たちの軍隊行進曲、第3部は凄惨を極めたという「ボロディーノの戦い」がリアルに描写され、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」と帝政ロシアの国歌「神よ、皇帝を守り給え」が引用される。はじめはナポレオン軍の優勢に見えるが、やがてナポレオン軍の敗退とともに「ラ・マルセイエーズ」は乱れ、消えていく。第4部は勝利の凱歌が祝砲(楽器編成に「カノン砲」とある)の響きとともに高らかに歌われ、豪華に集結する。
バレエ組曲「白鳥の湖」 [DB]
 チャイコフスキー三大バレエの一つであるこの作品は、フィンランドに伝わるおとぎ話を題材としている。王子ジークフリートの成人式を明日に控えた城は多くの人々が集まり、活気に満ちていた。王子は母后から明日の成人式で婚約者を指名するように言われるが、思ったような女性が見つからず、気晴らしに湖に狩りに出る。王子は湖で悪魔ロットバルトによって白鳥の姿に変えられてしまった白鳥姫オデットと出会い、一目で恋をする。王子は白鳥姫に成人式で婚約者に指名することを約束し、城に帰る。翌日、悪魔は白鳥姫を隠し、白鳥姫によく似た黒鳥オディールを成人式に出席させる。王子は白鳥姫と勘違いし、求婚するがそれは黒鳥だった。自分の間違いに気づいた王子は再び湖に訪れる。白鳥姫に詫び、自分の思いが白鳥姫にあることを訴え、許しを得る。そこに再び悪魔があらわれる。王子は悪魔と戦うが、力及ばず傷つく。もはや現世で思いが叶わぬことを悟った白鳥姫は湖に身を投げ、それを追って王子も湖へ身を投げる。その瞬間、二人の思いの強さに悪魔の呪いは破られ、悪魔は滅びる。そして、天上の国で結ばれるために、王子と白鳥姫は手を取り合いながら昇天していき、幕が下りる。白鳥姫オデットと黒鳥オディールは一人のプリマが二役を演じ分ける場合が多い。また、演出によっては第1幕の前に悪魔がオデットを白鳥に変えてしまうエピソードが追加されたり、王子が悪魔を倒して白鳥姫を救い出して幕、となる場合もある。


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